猫とひなたぼっこ

儚い命

ミケちゃんが死んだ日の午後、近所の家の敷地で子猫が鳴いていた。
そのお宅では犬を2匹飼っていて、室内から子猫に向かってやかましく吠えたてていた。
私はそのうち母猫が迎えにくるだろうと思って日中は無視していたけれど、夜の9時になっても犬猫の鳴き声は止まらない。
さすがに子猫の体力が心配になり、犬の鳴き声で母猫が近寄れないのかもしれない思い、救助に向かった。
エアコンの室外機と物置の隙間に茶トラの子猫がいた。

怯えて逃げ回っていたが、そのうち観念したのか捕り物帳は終わった。
抱かれると明らかに安心したようなので、連れ帰ってごはんを食べさせた。
うちの庭で時々見かける雄の野良にそっくりで、血縁かなと思った。
子猫はまだぶどう色の目をしたチビで、うちで飼ってやりたかったけど、母猫が探しに来たらと思い、外に出した。
「おかあさんが迎えにくるからそこにおいで」
子猫はドアに向かって鳴き続ける。
「怖いよ、入れて、入れて~」
心に大きくひっかかるものがあったのに、そのまま寝てしまった。

翌朝、子猫はどうしただろうと思い、外に出るとどこにもいなかった。
昨夜の猫缶が洗ったようにきれいになって転がっているだけだった。
あの子猫が全部食べたの?
母猫が迎えに来たの?

そして見つけてしまった。
子猫の死体を。
あの野良にやられたんだ、と直感した。
右耳から血を流して子猫は死んでいた。

野良もお腹が空いていたのだろう。
生き残るためには自然界では当たり前のことなんだろう。
でも子猫を見捨てた自分が厭だった。
うすうす捨て猫と感じていたのに、母猫が探していたら、なんて自分の都合のいいように考えた自分が。

茶トラの子猫はミケちゃんと一緒に火葬してもらいました。
ごめんね、助けてあげられなくてごめんね。

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